今までの塾に新たな息吹き

何とか希望する学校へ進みたいと願う受験生をかかえる家庭の切実な思いを叶えるべく全国各地に作られていった塾ですが、そのほとんどは個人もしくは零細・中小企業といった小規模のものでした。そんな各地の塾が1960年団体を結成、当初は「全国学習塾指導者連盟」」という名称でしたが、数年後「全国私塾連盟」と名称を変え、更に「全日本私塾協会」と「日本私塾会」が合同で「全日本私塾教育ネットワーク」(通称「私塾ネット」)を作り現在に至っていると言われています。もともとは地元の子供たちに進学指導を、として発足した塾が全国的な団体としての歩みに変わっていった歴史を考えると、将来の子供への塾経営者の熱い思いが感じられてなりません。なかでも1970年代後半の「乱塾時代」と一部揶揄されたような言い方で広まっていった塾ですが、今までの教職関係者が多かった塾経営者が、長引く大学紛争に嫌気をさした学生たちが加わることで新たな産業として塾業界に新しい息吹を与えたと言えるかもしれません。その一端が、塾を一産業ととらえ、法人化し上場までも済ませた塾も出てきたそうです。まさにこの頃が現代の塾の創世期と言ってもいいかもしれません。